こんにちは、初期研修医の坪谷です。
早いものでもう5月で、志摩病院に来て1か月がたちました。4月は主に内科で研修をしながらオリエンテーションを行いました。
オリエンテーションの一環で「地域医療研修」というものがあります。地域医療振興協会の提携の病院の中から研修病院を選び、そこでの診療形態、人々の暮らし、医師と住民の関わり方などを体験しにいきます。僕が選んだのは、「沖縄県与那国町立診療所」です。
今回はここでの1週間の研修について書きたいと思います。
与那国島は、日本の最西端、人が住んでいる島では最南端です。新石垣空港から約30分、小さな旅客機に乗って上陸します。人口1600人に満たない島ですが、3つある集落にはそれぞれ小中学校・保育園があり、子供の数は多いように見えました。産業は漁業、農業、酪農が主で、マリンスポーツや景観、TVドラマのロケ地を売りにした観光産業も盛んです。
このような島の医療を支えているのが、与那国町立診療所です。日常診療は高血圧のフォローや腰痛から、小児科、外傷に至るまで幅広く、1人の医師が24時間対応しています。診療所長の和田医師は、「夜中でも、いつでも心配になったらすぐおいで」と患者に言って、そのため、酒は飲まない、生魚も食べないと自己管理されていたのが印象的でした。
島で対処不可能な疾患の治療は、那覇や石垣島の総合病院に送りますが、酸素ボンベを担いでJALの旅客機で一般客と同様に搬送されるそうです。
一日の研修スケジュールですが、開院時間は9時~16時で、その前後にもろもろの準備や、カルテの整理等行い、午後がフリーの日は、往診や島内の特別養護老人ホームの回診に向かいます。外来患者は一日平均20人、夜間オンコールは2~3人でした。
研修内容は、外来患者の問診、身体所見を取り、必要に応じて検査を行い、治療方針を指導医に相談していくというスタイルです。まだ現場に慣れず、患者さんをいつもより待たせてしまいましたが、島の人達は温厚で優しかったです。
患者との関わり方や、環境はイメージしていた地域医療そのものでした。離島であれ、十分な医学知識と経験をつむ事はできます。
なかなか体験し得ない貴重な経験となり、今後の研修に活かせていけたらと思います。
0 件のコメント:
コメントを投稿